大阪料理会│第二回の様子

  35名の料理人が一堂に会した第2回目。今回は、より意見交換が活発になるようにと、前回と趣向を変えてスタートした。
  まずは会長の上野修三さんによるテーマ食材の解説から。「大阪の産物ではないが、こういう野趣ある風味は春を待つこの季節、日本料理には欠かせない」と一品目には芹を選んだ。調理の担当は、割烹『一陽』の小河原さん。「特有の風味を率直に生かそうと和え物にしました」と、天然の川芹を3種の酒肴に。
  試食するやいなや、「酒粕は何を使っているのですか?」と質問が飛んだ。「山口県の獺祭(だっさい)です」と河原さん。
「もう少しまろやかな粕でもいいのでは?」との意見が聞かれ、「その方が芹の繊細な味が生きたかもしれない」と上野さんも言葉を添える。
  このように今回から、作り手が最初に料理の説明をし、試食した参加者は質問や感想を返すというスタイルを採用。その狙いは当たったようだ。
  2品目の黒鯛は、料亭『柏屋』の松尾さんが調理を担った。造りに添えたオリジナルの松前醤油と海老塩を味わった参加者は、その発想の新鮮さに目を開かれた様子。
  続いて、高山真菜の椀物が登場。上野修三さんが「菜種の原種かもしれへんな。なんせ香りが力強い」と言えば、「湯がき汁も青臭さがなくて美味しいんです。これを料理に用いることもあります」と修さん。
  河原さんがたこ焼きに見立てた飯蛸の饅頭を披露し、上野修さん作の寒鮃の蒸物が供されると、ここからの4品は松尾さんによる蕗の薹づくし。蕗の薹を素揚げし、叩き寄せにしたものをベースに用いたという解説に、一同興味津々。「蕗の薹は香りも色も飛びやすいが、この方法ならば保存もできる」と、辻調理師専門学校の畑先生も感心しきりであった。
  最後は、茶菓の蕗の薹金団。その乙粋な味わいに、料亭店主の真の力を見た第2回目であった。

第二回大阪料理会の様子