大阪料理会│第一回の様子

  今回のテーマとなる6つの食材の簡単な解説を織り交ぜた、会長・上野修三さんの挨拶で幕を開けた第1回。参加した約30名の料理人たちは、調理の様子を食い入るように見つめ、そのオープンキッチンの中では『割烹 手崎』の小川さん、『和洋遊膳 中村』の中村さんが弟子を含む約10名の料理人たちと格闘中だ。

  まず供されたのは、小川さん作の3品。「どこか懐かしさのある味で、ほっこりします」とは、辻調理師専門学校のとある先生の談。寒鰆に施した仕事の丁寧さ、大阪菊菜の汁の塩梅の上品さに、各所で感心の声が上がっていた。

  続いて、中村さん作の「餅蓮根稲荷」。「蓮根の皮を唐揚げにした発想がいい」という感想に、「大阪料理は始末の心が何より大切」と中村さん。「素材は使い切って無駄を出さない。これが始末がええ、ということ」と、上野さんも言葉を添えた。「蟹ひろうす」では、オリジナルの蟹油に話題が集中。「100℃で1時間、太白胡麻油の中で蟹殻を煮て香りを移しました」と中村さんは丁寧な説明を添えた。

  「洗鯉の左良妥」に続いて、上野流鯉こくが供されると、その力強い味わいに会場が熱気を帯びてきた。「烏賊葱の操々」は“辛子寧酸”の塩梅を書き留める姿が多く見られた。

  各料理の感想と、自分ならばどんな風に料理するか、などをアンケートに書いて提出するスタイルを取った初回。熱心に書き込む料理人たちの姿が印象的だった。

第一回大阪料理会の様子