大阪料理会│第三回の様子

  第3回目の開催と言うこともあり、会最多の40名ほどの料理人が参加。 まずは会長の上野修三さんによるテーマ食材の解説から。「赤貝は本来なら12月下旬から2月末頃まで。この時期のものは身が厚く味も濃い。本来なら遅いタイミング。また鱚や、針魚も少し早い。そんな状況で上手に食材を合わせ調理してくれた料理人に感謝」と上野さん。
  そんな中、料理人の議論が集中したのが独活の使い方について。「生食が基本のところ、みぞれにして爽やかさを出したり、油に合う特徴を活かし煮物にした発想が凄い」と小川さんの仕事を讃える意見が多かった。「春の苦み、食感に独活を取り入れるのは面白い。しかし高級珍味なんでたくさん使えない(笑)」と小川さん。上野さんも「茨木市で天保年間より栽培が始まっ たと言われている三島独活は、いまでは生産者が1軒を数えるばかり。頑張って欲しいのだが」と残念そうに語っていた。
  また今回から、月の食材をテーマにしたデモンストレーション以外にも、新たな試みが行われた。今月は、450年前の文献をもとに、海鼠(ナマコ)を使用したレシピを再現。元辻調理師専門学校日本料理講師の広里貴子さんが調理にあたり、忠実に再現したが、一同苦笑い。「けったいな味やな」と上野修三さん。丁寧に洗って、湯で煮だしても臭みの残る海鼠に、扱いの難しさ を実感する料理人たち。「やはり酢のものが合う」とはこの会の一同の答えだった。
  「大阪食材で陽の目を見ないものはたくさんある。前回の黒鯛にしろ、今回の目張や海鼠にしろ、そんな食材を見直して、新たな食文化・大阪料理が生まれれば」と笹井さん。次回以降でもそんな食材やレシピを紹介すると言う。今後の食材にも注目だ。

第三回大阪料理会の様子