板持海老芋揚げだし 紅ずわい蟹餡掛け

岡本 正樹
天の川 なかなか  

火入れの変化で板持海老芋の魅力を引き出す

板持とは、 大阪府富田林市の地域名。 この地区は石川によってできた肥沃な土地として知られている。 中でも芋類は江戸時代からブランド力があり全国的に有名な石川早生芋の発祥地でもある。 今回は西板持の海老芋をテーマとしている。 芋類の本来の旨味は、切るほどに失われる。大きな海老芋は可能な限りその形状を生かしたいとの想いから揚げ出しとしている。 真空にした海老芋は70℃で90分間熱を入れ、 さらに温度を95℃にし30分間スチコンにかけている。 これに浮粉を付け180℃で揚げている。 これに濃縮させた出汁を昆布出汁で割ったもので調味し吉野葛でとろみを付けた後、紅ずわい蟹そして摺り下ろした梨汁で甘みを加減している。 仕上げにはこれも富田林の名産の無花果を下に敷き、 海老芋をのせて餡掛けに。 火入れ加減で味の表情を変える海老芋の新しい愉しみ方のひとつだといえよう。

総評

「板持の海老芋の大きさに驚かされた」 など海老芋そのものに対しての質問が多くあった。 本定例会に合わせて 「農の匠 (大阪府生産者団体)」 から、 西板持の海老芋農家である乾さんが来られ、 海老芋にまつわる栽培方法や、 保存方法など参加会員からの質疑に応じていただいた。

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