今月の献立 〈第36回〉 2013年 12月 |
大阪料理会、3期の締め括りとなる第36回定例会。初春を感じさせる前菜テーマが並んだ。ひとつは、オーソドックな料理の中に今様なアプローチを加えた「松竹梅」。そしてもうひとつが、料理屋の初仕事ともいえる「初釜」。供する型を官休庵に倣いながらも、和洋の料理技法が巧みに駆使されている。また今回は、冬らしい浪速伝統野菜「天王寺蕪」と「難波葱」が使われているところも見所、味わい所となったようだ。 |
杉本 亨さん 浪速割烹「和亨」 |
畑島 亮さん 串揚げ・大阪料理 Cuisine d'Osaka Ryo |
杉本 亨さんの献立 | 畑島 亮さんの献立 | 撮影/藤澤 了 文/笹井良隆 |
【総評】 極めてオーソドックスな料理が並んだ前菜料理。それだけに様々な作り方やこだわりが意見として出された。中でも黒豆については、ぶどう豆の謂われ等で意見が分かれた。大阪的なぶどう豆の捉え方として、「葡萄酒を使って煮る」というところからぶどう豆の名がついたという説が杉本氏から紹介された。一般的には葡萄色とか、形状を由来としているが、巷の説と料理界の説が異なることは、よくあるところ。ひとつのヒントになるのではないだろうか。 |