今月の献立 〈第37回〉 2014年 1月 |
大阪料理会、第4期のスタート。今期からは運営スタイルが代わり、抽選によってランダムに選ばれた3料理人が協同でその月のテーマに挑む。前菜担当がひとり、魚介ならびに野菜の2テーマを2料理人が各担当し合計5品を発表する形となる。3料理人が一丸となって、その月のテーマを担当するだけに、会員間のコミュニケーションも問われるところだ。1月は偶然にも割烹料理店が揃ったことから、浪速割烹らしい試作が次々と発表された。 |
![]() 島之内『一陽』 |
![]() 北新地『さか本』 |
![]() 北新地『弧柳』 ![]() |
小河原 陽一さんの前菜 | 坂本 靖彦さんの献立 | 松尾 慎太郎さんの献立 |
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【総評】 原木椎茸の旨さはもちろんだが、チーズと椎茸の相性、さらには干し椎茸の新たな可能性に気づかせてもらったという声が多くあった。ただ、原木椎茸は会場のサラマンダーを使用したため、炭火で味わえるような旨味が少なかったことが残念との意見もあった。鯨の料理については、林檎酢がとても良いアクセントになっているという感想。また質問としては鯨肉の解凍方法についての様々な意見が出た。冷凍状態のまま氷水に5時間程度入れると良いという声、さらには果実の持つタンパク質分解酵素の力によって鯨肉を柔らかくできないかといった方法論の意見交換がなされた。いずれにしても大阪の食文化である鯨肉の可能性に挑んだ料理は賞賛に値するものといえよう。 |
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撮影/藤澤 了 文/笹井良隆