今月の献立 〈第55回〉 2015年 7月 |
今年も酷暑となった7月の料理会だが、会場には1時間ほど前から多くの会員が顔を出しはじめた。というのは畑会長の意向で、片町『はしま』の山本氏による「鱧の骨抜き」の実演が行われていたからだ。さて本会では土用らしいテーマが並び、「淀川天然鰻」を使った試作料理なども披露された。また今回からは大村屋製の胡麻による「胡麻の可能性に挑む」の新シリーズがスタートしている。 |
![]() 「キュイジーヌ大阪リョウ」 ![]() |
![]() 「旬屋 じょう崎」 ![]() |
![]() 『大阪あべの辻調理師専門学校』 ![]() |
畑島 亮さんの前菜 | 城崎 栄一さんの献立 | 小川 健さんの献立 |
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【総評】 鰻の白焼きが大豆出汁を使うことで、これほどに優しくそしてふんわりと仕上がることへの驚きの声が多くあがった。鰻と大豆との相性を追求することで、鰻の新しい味わいの発見ができそうだとの意見もあった。冬瓜料理では、熟成出汁に対しての質問がやはり多く出た。合わせ出汁一辺倒ではなく、真昆布だけの出汁を突き詰めてみるよい機会となったようだ。またチヌを焼く前の処理法として紹介された飽和塩水への質問も相次いだ。塩分濃度が30%というこれ以上は塩が溶けない飽和状態の中にチヌを浸すことで旨味を引き出すというもの。ただ、これはチヌそのもの状態(つまり、どれほどそのチヌがクセを持っているかどうか)によっても処理法を変える必要があることから、今後さらなる研究が必要との意見もだされていた。出汁そして魚菜の処理法等に関して、原点に戻ってその在り方を問いかける非常に意欲的で内容のある城崎氏の試作料理提案だったといえよう。 |
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撮影/藤澤 了 文/笹井良隆