今月の献立 〈第63回〉 2016年 3月 |
大阪市内の桜もほころびはじめ、すっかり春めいた陽気。本定例会では上野相談役が、休席となった畑会長の代理役を務めた。担当会員3名によるテーマは「精進」そして「春の野菜尽くし」。前菜からはじまるすべての料理をコース仕立てとし、その中にテーマを探っていくという新しい試みがなされた。 |
![]() 料亭「深川」 ![]() ![]() |
![]() 日本料理「翠」 ![]() |
![]() 千里山「料亭 柏屋」 ![]() ![]() |
吉良 健太郎さんの前菜 | 大屋 友和さんの献立 | 松尾 英明さんの献立 |
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【総評】 精進でここまで出来るのか、という評価が多くあった。また今回の精進の本来の狙いは、いわゆるインバウンド(増加する海外観光客)を想定したものであることが松尾氏から語られた。ベジタリアンはもちろんイスラムのハラル食などを考えた時、日本料理の文化のひとつである精進料理を見直すことは意味のあること。そのことへの問いかけとして今回のテーマも選ばれたという。また精進を考えることは、現在では常となっている昆布と鰹の出汁というものを再考する契機にもなったことが発表された。総評として上野相談役からは、「今回の精進は日本料理の未来に大きな可能性を感じさせてくれるものであった。さらに皆でこれを突き詰めていくことで、新たな道が拓けていくのではないか」とのコメントをなされた。 |
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撮影/藤澤 了 文/笹井良隆