今月の献立 〈第67回〉 2016年 7月 |
ワインに合う日本料理、また日本料理とワインのこれからを考える特別テーマも今回で3回目。様々なアプローチがその都度に行われ、上野相談役からも「想像以上に面白くなってきた」というコメントも聞かれた。今回の特別テーマでは、各々が選んだテーマ食材を、和・洋の料理法に分け、洋ではワインに合わせるとすればどのようなところがポイントとなるのかといった発表形式がとられた。 |
早川 友博さん 北新地「小嘉津」 |
石橋 慶喜さん 北新地「日本料理 慶喜」 |
上野 修さん 法善寺横丁「浪速割烹 㐂川」 |
早川 友博さんの前菜 | 石橋 慶喜さんの献立 | 上野 修さんの献立 |
【総評】 西瓜に無花果に桃にと、果物系のものが随所に使われている前菜は斬新で面白い、といった評価が多く聞かれた。また果実を多く使ったことで全体の色合いも美しく仕上がっているのではないかといった意見もあった。各々の料理については、西瓜の皮を使っているのであれば、もっと白っぽい部分があればさらによかったのでは、という声もあった。しかし一方で、最近の西瓜は品種改良が進み、皮の厚いものがほとんどなくなっているという現状の説明が運営委員からなされた。桃と塩豚の料理では、桃が旨すぎて豚に合っていない気がすると同時に、少し塩気も薄かったのではという指摘があった。これらの意見の後、運営委員からは「前菜というのは作り置きになってしまう。今回の前菜は果実が多用され興味深いものではあったが、時間を置く前菜としては相応しいものとは云い難いところがあったのではないか」といったコメントが付け加えられた。 |
撮影/藤澤 了 文/笹井良隆