今月の献立 〈第34回〉 2013年 10月 |
第34回の大阪料理会。深まる秋に両会員は、収獲そして紅葉を前菜のテーマに設定。大阪北部に位置する豊中市の内谷氏は、能勢の山里を彷彿させる三種の前菜を。また辻調理師専門学校の小川氏は冬を感じさせる山海の幸を取り入れた前菜を披露した。テーマ食材ではひとつの食材の各部位の特質を生かした料理法が内谷氏より紹介された。また、本会では、事務局より次年度における3店が1チームとなる新運営方法が説明され、出席会員による組み合わせ抽選が行われた。 |
内谷 和人さん よし乃 |
小川 健さん 辻調理師専門学校 |
内谷 和人さんの献立 | 小川 健さんの献立 | 撮影/藤澤 了 文/笹井良隆 |
【総評】 前菜料理の「餅銀餡と粟麩の白和え」に多くの賛辞があった。「栗と椎茸の相性が素晴らしい、味に深みが出る」という意見や「これは黄金和え」という名にした方がよいという意見もあった。落花生と黒豆を使った前菜については、あえて豆らしい堅さを残したかったという内谷氏の考えに対して、豆の適切な堅さとは何かとの議論もあった。テーマ食材では、海老芋という食材についての様々な意見が出された。中でも産地と生産地の異なった多くの海老芋を食べ比べたが、どれひとつとして同じような海老芋がなかった。海老芋はまさに食材を知ることの重要性を認識させられるものとの意見が会員から発表された。食材を単一なものと見るのではなく、その特質を把握することで、あえてこれをばらばらにして各々を生かして使い切る。これこそが大阪料理である。そうした観点から、今回の内谷氏の料理と狙いは素晴らしい、という声があったことを付け加えておきたい。 |