今月の献立 〈第40回〉 2014年 4月 |
第四十回目となる大阪料理会。今回担当いただいた3名は、藤井寺市、高槻市そして大阪市とそれぞれにエリアが異なることから、前菜やテーマ食材の選定に面白い地域色を見ることができた。中でも前菜においては、これまでにない大阪の歴史から発案されたものが提案されるなど話題を集めた。 |
菰田 昌寛さん 料亭 梅廼家 |
島村 雅晴さん 雲鶴 |
荒木 宏之さん araki8823 |
菰田 昌寛さんの前菜 | 島村 雅晴さんの献立 | 荒木 宏之さんの献立 |
【総評】 前菜料理としては三種とシンプルでかつ小ぶりな表現となっているが、特徴ある味づくりが面白いという意見が多数聞かれた。鯉の調理法への質問では、油で6時間も火が通されているが鯉の味わいは失われていないことへの賛辞があった。蛸麹漬けでは麹床の配合についての質問があった。また一寸豆を使った勝栗では、鯉の子と共にケシの実も使われたが、ケシの実の量が多すぎたのではないか、との指摘があった。前菜料理のテーマとしては、これまでにないもの。会員全員が一体どのように料理として表現するのだろうかという関心が高かったが、見事にその期待に応えるものとなったといえよう。前菜はややもすれば季節感だけに流される傾向にあるが、決してそれだけではない。そこには歳事や地域の歴史をも食べ手と共有できる可能性があることを示唆してくれたといえよう。 |
撮影/藤澤 了 文/笹井良隆