今月の献立 〈第41回〉 2014年 5月 |
上野相談役曰く「回を重ねる毎に、内容が深くなっている」。第四十一回の大阪料理会はまさにその言葉を象徴する内容となった。泉州玉葱を果実のように扱うといった斬新な発想があるかと思えば、日本の調理の原点ともいえる米糠に今一度着目した糠味噌煮の料理など、いずれも2時間の時間枠の中では収まりきれない内容の深さであったといえよう。 |
吉良 健太郎さん 料亭 深川 |
久保 是人さん 喜川 浅井 |
北野 博一さん 喜一 |
吉良 健太郎さんの前菜 | 久保 是人さんの献立 | 北野 博一さんの献立 |
【総評】 五種の前菜料理。前菜料理としての彩りの美しさ、完成度の高さに賞賛の声が多く聞かれた。畑会長からは「各料理とも必要最低限の手を加えただけで、さらりと仕上げていながらも全体として季節感をうまく演出している。また、次に出てくるであろう料理に大きな期待感を抱かせる素晴らしい前菜」との賛辞があった。会員からの声としては、鮎の笹巻鮓で使われた酢橘酢がとても夏らしく爽やかであったこと、天子の料理における生胡麻の使い方が面白かったなどの声もあった。ただ、せっかくの鮎の料理であっただけに、「うるか」もどこからに使われていたら、もっと良かったのではという指摘が入ったところが、何とも大阪料理会らしく賛同の笑い声が起こった。 |
撮影/藤澤 了 文/笹井良隆