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大阪料理会とは 組織メンバー 今月の大阪料理 活動レポート
今月の献立 〈第50回〉
2015年 2月

第五十回の定例会は二部構成によって行われた。一部では、2名の会員がそれぞれに2月のテーマ食材ひとつを魚介と野菜で担当。そして第二部は、場所を『料亭・天王殿』へと移し、多くの招待客をまじえての「畑会長の新たな門出を祝す宴」として開催。大阪料理会の五十回定例会を迎えるまでの軌跡の紹介をはじめ、畑会長の新たな門出を祝す前菜料理なども披露された。


内谷和人さん 内谷和人さん
よし乃
ぐるなび
神田芳松さん 神田芳松さん
松(ときわ)
ぐるなび
 
内谷和人さんの献立 神田芳松さんの献立  

◆2月のテーマ食材(蔬菜)/難波葱

難波葱摺流し

【料理名】難波葱摺流し

料理名に「なんば」が付くものが幾つかあるが、これは葱を使った料理であることを表している。大阪の難波葱が九条ネギのルーツであることは伏見稲荷大社に残された記録でも明らかだろう。その難波葱が量産されるようになり、大阪料理会にお目見えとなった。五十回に相応しい食材でもある。内谷氏はこの葱を上・中・下部の3部位で使い分けた。まずは難波葱の根と先の部分で葱油を作っている。次に真ん中の部分と牡蠣を合わせ出汁でさっと火を通している。根に近い部分を五分切りにして炒め、先ほどの出汁そして白味噌を加えミキサーにかけている。甘味と彩りが強い根に近い部分を器にはり、歯触りのよい真ん中の部分に牡蠣と辛味の糸葱を合わせ、香づけに葱油を落としている。


【総評】

難波葱のすべてを食べ尽くすことができる料理、との賛辞が贈られた。また葱と牡蠣の取り合わせだが、いずれも火を入れすぎると食材の持ち味を逸してしまいかねない。しかし今回の料理では火を入れているにもかかわらず、葱の彩は失われておらず、牡蠣も生牡蠣かと思ってしまうほどの絶妙の火が通されていることへの技術的質問が相次いだ。料理ではあまり葱を上中下と部位を意識して使われることは少ないが、これも青ネギ文化圏の関西ならではもの。また青を彩としてしっかり活用できているところにも、葱の可能性を広げる大きなヒントがあったのでは、といった声が印象的であった。

  シーン1 シーン2

撮影/藤澤 了  文/笹井良隆


「畑会長の新たな門出を祝す宴」のレポートはこちら