今月の献立 〈第69回〉 2016年 9月 |
ひとつの旬であっても、そこに「走り」「盛り」「名残」といった移ろう味への変化を求めるのが日本料理。今回は秋に旬を迎える食材を、担当の三会員が「名残」をテーマに取り組んだ。また今回で5回目となるワインに合う日本料理のコーナーでは、大阪的な視点からの新たな強肴が披露された。 |
長内 敬之さん 心斎橋「旬鮮和楽 さな井」 |
神田 芳松さん 堺「松(ときわ)」 |
西野 保孝さん 堺「山海料理 仁志乃」 |
長内 敬之さんの前菜 | 神田 芳松さんの献立 | 西野 保孝さんの献立 |
【総評】 秋の名残らしく、彩りの美しさが素晴らしい前菜との賛辞が多く寄せられた。料理への質問も様々であったが、特に秋鱧の下処理について意見や質問が多くあった。秋鱧をいわば「湯引き」するというこの手法は、この料理だけでなく秋鱧の料理幅を広げる上でも、非常に汎用性の高いものであるとの評が寄せられていた。料理の味への声としては、落ち鮎寿司の酢飯の酢が少し足りないのではないか。枝豆の香りは素晴らしいがもう少し柔らかさが欲しかったといった声、そして白和えにはチーズは不要かどうか等の質疑がなされた。 |
撮影/藤澤 了 文/笹井良隆