今月の献立 〈第70回〉 2016年 10月 |
大阪料理会は今回で第70回を迎えた。開会に先立ち畑会長から、コツコツと積み重ねた70回であり非常に意義が大きい。これまでに発表された料理だけを並べても大阪料理の膨大な財産・遺産となっている。今後もさらに皆で精進努力を続けていこうではないか、の激励がなされた。 |
久保 是人さん おおさか料理「浅井」 |
大引 伸昭さん 大阪あべの辻調理師専門学校 |
前田 武徳さん 東大阪「菜ばな」 |
久保 是人さんの前菜 | 大引 伸昭さんの献立 | 前田 武徳さんの献立 |
【総評】 様々な茸を温度差や食感などを考えて巧みに料理に仕上げている、素晴らしい前菜との賛辞が多く寄せられた。中でも舞茸の料理には多くの質問があった。そもそもこの料理のヒントは舞茸を卵料理に使った時に、卵が固まらないことにあったとか。何らかの消化酵素的な効果を期待できる舞茸を反対に肉に合わせることで、地鶏を柔らかくできないか。その狙いが今回の料理となったことを久保氏が詳細に説明した。また今回、茸に合わせた川蟹についての質問も多くあった。畑会長からは「最近ではほとんど使われなくなった川蟹を使い、さらには卵や味噌などを塩辛としても活用する心意気と技は見事」との評が付け加えられた。よく知られる烏賊飯仕立てについては、さらにこれを揚げるという発想が面白く、是非店でも試みたいという声も聞かれた。 |
撮影/藤澤 了 文/笹井良隆