今月の献立 〈第86回〉 2018年 2月 |
例年にない寒波が押し寄せた年明け。それもようやく少し春めいてきた。3月の前菜として選ばれたのが「草木萌動」。七十二候でいうところの第六侯にあたり、やっと春の訪れを感じられる時期。冬の色から、春らしい色合への微妙な自然の変化。そんな彩りを期待できそうな前菜名である。テーマは旬を迎えた黒鯛(ちぬ)、そして紋甲烏賊の試作が披露された。 |
山本 英さん 片町「はしま」 |
古池秀人さん なにわ料理「有」 |
大屋友和さん 日本料理「翠」 |
特別テーマ 〜知られざる郷土食材を和する〜
第9回:北海道「たちかま」
「たちかま」の「たち」とは、スケソウダラやマダラの白子のことを意味する。北海道ではこれらを「たち」「たつ」と呼び、これをもとに作った蒲鉾は、「たちかま」として冬の味覚として親しまれている。蒲鉾といってもいたってシンプル。基本は塩だけで、商品化されたものは、食感を強めるなどのため繋ぎになるもの(片栗粉等)が加えられているものもある。もとは新鮮な白子を使って家庭で茹でるだけでできる蒲鉾だったのだろう。
撮影/藤澤 了 文/笹井良隆