今月の献立 〈第95回〉 2018年 11月 |
温暖化の影響か、今年の秋は例年よりも短く感じられる。実りの秋を実感する間もなく冬がそこまで迫っているという、何とも気ぜわしい11月。そんな雰囲気を察知しての前菜というわけではないが、名残の秋味が前菜に選ばれた。そして、特別テーマではあまり取り上げられる機会が少ない川魚の代表格「鯉」。また、今回は地方の食材ではなく、自家製「唐墨」が担当会員からの要望としてあがった。 |
山本 英さん 片町「はしま」 |
石橋慶喜さん 北新地 慶喜 |
岩淵貴生さん 太閣園「淀川邸」 |
特別テーマ 〜知られざる郷土食材を和する〜
第18回:「唐墨」 石橋慶喜氏の献立
唐墨はボラの卵巣を塩漬けにしたもの。日本各地に似たような卵巣の塩漬けはあるが、唐墨といわれるもので有名なのが長崎産唐墨であろう。しかし最近では、この唐墨を自店で漬けるところが増えている。また、それだけに様々な作り方が行われている。今回はそうしたことを受けて、石橋氏が自らの唐墨作りを紹介することで問題を提起した。
撮影/藤澤 了 文/笹井良隆