【総評】
「大阪料理の始末の精神が随所に生かされたすばらしい料理」「季節感だけでなく、太刀魚の良さも感じさせてくれる試作」などの評が多く聞かれた。また参加会員から今回の試作の意図を聞かれた久保田氏は「この料理の狙いのひとつには、日本酒とのマッチングがある。秋上がりなど芳醇でコクのある酒が出回る時期なので、そうした酒に合う料理としても考えた」とのやりとりがなされた。運営委員からは「饅頭の中のとんぶりに食感があまりなかったのは残念。混ぜ込んだことに原因があるように思うが、混ぜ込むのではなく中に入れ込むという手法もあったのではないか」とのアドバイスがなされた。また、燻製寿司ではクッキングシートを使った燻製薫のつけ方についての討議や日本料理も新しい薫りの楽しみ方の提案が必要とされているのではないかとする、意見が寄せられていた。
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太刀魚燻製白胡椒寿司
次に太刀魚燻製白胡椒寿司。こちらは太刀魚を三枚におろし、強めの塩をしてクッキングシートに挟み、一晩寝かせている。皮目を炙って、サクラチップの燻製鍋にかける。この際に煙でシートも蒸す。太刀魚をこのシートで包んで一晩おくことで燻製薫を強めている。最後に大葉をはさんで棒寿司を仕上げ、供する時にマレーシアの白胡椒を掛けて薫りを豊かにしている。
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