【総評】
「すべての試作串に汎用性があり、面白かった。中でもハゼの旨さは絶品であった」「串料理でもここまでできるという驚きと、これらをコースの中でどう活かすかを考えさせられた」「さまざまな味を少しずつ愉しみたいという大阪的なスタイルが具現化されているのが良い。また、それぞれ味だけでなく、ごく微量のピンクペッパーなどを使うことで香りに変化があるところも参考になった」などの意見が多く聞かれた。運営委員の中からは「日本料理のコースの中に、あえて専門的な料理を少し加えるというのはとても良い。特に大阪の割烹や料亭ではこうしたことをひとつのスタイルとするのはどうか」といったコメントが寄せられていた。
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煮込み串2種
・牛すじ赤味噌バター どて煮
・牡蠣どて煮 白味噌仕立て
煮込み串2種の一つは牛スジ。牛スジは洗い、霜降りした後、酒と水で火を通す。湯通ししたコンニャクは切り込みをいれ、牛スジと同じ大きさにカット。牛スジを煮込んだ汁に砂糖と薄口醤油で下味をつけ、コンニャクを入れ、味が入れば取り出す。さらに、そのだしに赤味噌・砂糖・酢・トマトを入れ、牛スジを戻し入れ、弱火で炊くことでデミグラス風の味わいにしている。もう一品は牡蠣。玉ネギをフライパンで炒め、甘みを引き出し、水を入れてピューレ状に。このピューレに白味噌、豆乳を入れて一煮立ちさせる。ネギは焼いて香ばしさを出す。洗った牡蠣とネギを串に刺して、沸いた味噌にサッと入れて、火を通す。和風ホワイトソースを思わせる、まろやかな味わいが料理に品格を与えている。
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